Uo・ェ・oUくりんだよぉ~ん。爺じぃだよぉ~ん。

137~140

どじ丸物語(其の137)朝散歩に行こうとハウスに行ったら、食べ物を吐いて倒れていた。前編

前日の夜、研修があって夜の散歩は妻に任せました。

「ただいまぁ~、、、」

どじ丸は何時ものように眠ったまま。

「散歩はいいの・・・?」

いつもなら妻の散歩が物足りなくて、
ノソォ~っと起きてきて散歩をせがむのに、
今日は全くその気がないようです。

「じゃぁ~ね、、、、おやすみ・・・」

2000年11月15日、、、、、、、
誰も予想をしなかった大変な一日が始まろうとしています。
朝の散歩をしようと玄関を出ました。

「どじぃ~~~~~散歩に、、、、、、、、!!」
「どじ!!!どうしたぁ!!!大丈夫か!!!」

どじ丸がハウスの入り口で食べ物を吐いて倒れています。

「どうしたんだ!!?何したんだ!!?」

ぐったりとした身体はクニャクニャで身動き一つしません。
「千加ぁ~~~!!どじが倒れてるよぉ~~~~!!」
「うっそぉ~~~!!?」
「嘘じゃないよ、箒と水持ってきて!!」
「昨日の夜はちゃんと散歩してたのに、何があったの??」
「こっちが聞きたいよ・・・!」
「どじさん、、、大丈夫??」
「今日休めないしなぁ~~・・どうしようか??」

暫らくして、むくっとどじ丸が起きあがりました。
ちょっとヨタヨタしているものの、
お水を欲しがってそっちに向かって歩いていきます。

「また、消化不良でも起こしたのかなぁ~~~~?」
「それならいいんだけど、、、、」
「散歩は出来ないね、、?」
「うん・・・。」

水を飲み終わったどじ丸は、
ハウスから出てきて私と妻に散歩をせがんできました。

「散歩行くの・・?」
「・・・・・・・・」

吐いたばかりのどじ丸ですから長い散歩はやめようと、
プロパン屋さんを横切って川への往復だけにしました。
朝ご飯は我慢してもらって、様子を見ることに・・・・

「どじ丸・・・行って来るからね、、」

帰ってくる頃にはケロッとしているだろうと、会社に出掛けた私。
その日の夜のどじ丸の足取りは、
ふらふらしているものの川への散歩はどうにかする事が出来ました。

「明日には治っているよね・・?!!」
「ご飯は柔らかいのを少しだけね・・。」

こうしている内にも、どじ丸の身体に変化が起きている事など、
全く想像も出来なかった私と妻。

翌日16日の朝を迎えるまで、
どじ丸は痛みと苦しみを我慢しながら、
なき声一つ出さずにいたのでしょうか??
いいえ、、、、、なけなかったのです。。。。。。。


どじ丸物語(其の138)朝散歩に行こうとハウスに行ったら、食べ物を吐いて倒れていた。後編

昨日の夜の様子なら大丈夫と、朝の散歩に誘いの声を掛けました。

「どじ丸、、、散歩・い・く・よ・・」

壁に身体を寄せて寝ています。

「どじ、、行くよぉ~。」

ハウスの側まで行って、大きな声で呼びました。
ムクゥ~っと起きたどじ丸は、何故か立ち上がろうとしません。

「散歩だよ、、、さ・ん・ぽ・!」

ヨッコラショと立ち上がった姿が妙に変です。

「どうしたの??出てこないの??」

ハウスの壁にもたれながらノソノソと出てきて、
外へ一歩二歩、、
ドスンッッッッッ、、
倒れこんでしまいました。

「どうした!!歩けないのか!??」

首は傾き、どうやら右半身に力が入っていないようです。
左の前足と後ろ足をバタバタさせて、
どうにか起きあがったもののバッタ~ン、、、、
またまた倒れこんでしまいました。

「どじが大変だぁ~、、、」
「歩けなくなっちゃったよぉ~!!」
「えぇ~~~~~!!??嘘でしょぉ~~~?!」
「嘘じゃないよ、見に来なよ、、」
「どじさん、大丈夫なの??」
「いいか、、立たせるからね、見ててよ。」

可哀想でしたが無理矢理立たせて、その姿を妻に見せました。

「ほんとだ、、、お医者さん呼ばなくちゃ、、、電話してよ!」

言っている妻は半べそをかいています。
ちょっと早いと思ったのですが、獣医さんに電話をしました。

「もしもし、、どじ丸が歩けなくなっちゃったんです。」
「どんな様子ですか、、?」
「首が傾いて、右半身が利かないようなんです。」
「分かりました。でも、今日は通院される方が一人いらっしゃるので、
   早く行くにしても2時頃に伺う様にしますよ。」

「お願いします、、、。」

獣医さんが来たのは、午後の2時ぴったり。

そして最初に出た言葉が、

「頭の血管が切れてますね。」

脳出血です。

「細い血管だから、注射と薬で治しましょう。」
「2週間もすれば、ちゃんと歩けるようになりますよ。」
「そうですか??この首の傾きも治りますか??」
「もしかして残っちゃうかもしれないなぁ~。」
「歩けるようになるんだったら我慢させますよ。」
「よく言い聞かせて納得してもらいますから、、、、。」
「でも、軽くて良かったネェ。酷いと大変だから、、。」
「この子も年よりだから老衰の域に入っているし、、、」
「でも長生きしてるね、この辺じゃめずらしいよ・・。」
支払いを済ませ、獣医さんを見送ってから、
妻と私は途方に暮れてしまいました。

「どじさん、、、先生が治るって言ってるから、頑張ろうね!」

ハウスに横たわるどじ丸、、何も喋ってはくれません。

「頑張って治してあげよう・・。」
「そうだね、、ずっと一緒なんだから頑張ろ・・。」

今日はこのまま寝かせておこうと思いましたが、
夕方になると、用足しがしたくなったのと、
お腹が減ってきたのとで、ハウスの中でガタガタ動き回り始めました。

「行くのか??抱っこしてって上げるよ。」

小さい頃から抱っこの嫌いだったどじ丸は、
自分で歩いて散歩をするつもりでいます。

「無理だよぉ~・・・・」

言う事を聞かないので、首輪を直接持って身体を起こすように、
グッと引っ張り上げながら裏の川まで出掛けました。

休み休みの川までの散歩、、、
1分もかからない道のりを、ゆっくりゆっくり10分かけて・・。
腰が落ちそうになると、中腰になってどじ丸の胸を抱え込み、
身体全体を支えないと倒れてしまいます。

用足しを終えてハウスに帰ったどじ丸。

今度はご飯と水です。
水を飲み終えるまで、
そしてご飯を食べ終えるまで私達の手が必要になってしまいました。

「早く治ろうね・・・そしたらいっぱい散歩しようね・・!」

明日からリハビリ。

“どじ丸と一緒に頑張るぞぉ~っ”と心に決めた私でした。


どじ丸物語(其の139)今日からリハビリだよ、、ガンバローどじ丸!!

さぁ~~~っ、今日からリハビリ。
昨日散歩に出た時も、抱っこを嫌って自分で歩こうとしたどじ丸。
朝の散歩が思いやられます。

「どじっ、、行こう!!」

首を傾けたその顔は哀れとしか言い様がありません。
2、3歩あるいて倒れこむのは、昨日と変わりはないのですが、
その目はキラキラ光っています。
頑張ろうって気持ちが表に表れている様、、、、

「車が来るから、道路だけは抱っこで行こうよ・・」

路地からプロパン屋さんまでの4メーター道路。
狭い割りに車が多く通るところ、
ここだけは抱っこで渡らないと何時事故に遭うか分かりません。
嫌がるどじ丸を後ろから抱え込んで、そそくさと横断しました。
“よいしょっと”

コンクリートの敷地内にどじ丸を降ろして歩行訓練、、、

一歩二歩三歩、、
オットトトトトト、、、
どてっ、、、
コンッ

倒れこんだ後、コンクリートに頭を打ち付けてしまいました。
麻痺している右側に倒れこみ、
そのまま力の入らない頭まで勢い余ってコンクリートに・・・
どうしたらいいんでしょう?困りました。
歩かせてはあげたいし、頭にも気を付けなくてはならないし、、、
苦肉の策です、

どじ丸の右側をどじ丸が寄りかかれるように一緒に歩く事にしました。
結局、どじ丸が一人で歩いたのは5メートルほど。
後は私がどじ丸をまたぐようにして胸を両手で押さえ、
中腰の侭どじ丸の歩くテンポに合わせて歩くしかありません。
これがとっても辛いんです。

腰に爆弾(ぎっくり腰)を抱えている私には、
何時爆発するか分からない爆弾と相談しながらの散歩になりました。
川の土手に着くと、先ずはおしっこです。

腰をちょこっと屈めて、身体は私の両腕に預けています。
右足が開かないので、足でちょこっと手助けを、、、

「ちゃんと開かないと、おしっこが着いちゃうよ!!」
「ほぉ~ら・・・・言った通りじゃんかぁ~」
“いっち・にっ、、いっち・にっ、、”

5分ほど歩くと疲れてきたのか、
草の上にペタンっと座りこんでしまいました。

「どじちゃん、、疲れたの???」

身体全体を草の上に横たえて、、寝ているような格好で一休み。

「そう言えば、うんちは大丈夫???」

お腹を擦って、うんちを促しました。
後ろの足を手前に、そして腰を落としました。

「頑張れ、、頑張れ、、!!」

コロンと一つ、、

「出たのぉ~♪良かったねぇ~・・」

用足しが終わったどじ丸に言いました。

「疲れちゃったでしょ、抱っこで帰ろうよ。」

帰りのどじ丸は素直に抱っこに応じました。
よほど疲れてしまったのでしょう。
ハウスへ戻ってお水とご飯です。

「おしっこは、ここでしてもいいんだからね。」
「お家へは入れないんだから、鍵閉めていくからね。。」

会社に出掛ける時は、ハウスの鍵を掛けて行くようにしました。
共稼ぎの私達には、そうするしか方法がなかったのと、
歩けると言う獣医さんのお墨付きがあってこそ出来た事。。。
どじ丸には可哀想な事をと思ったのですが、
住み慣れたハウスで頑張ってもらうことにしました。


どじ丸物語(其の140)散歩は川までの往復、、ちょっと考えすぎて無駄使い。

考える事は、毎日同じ事ばかり・・・・。

“もし、このまま歩けなくなったらどうしよう、、”
“ずっと半身不随だったら、散歩にも出られなくなっちゃう”

こんな事ばかり考えている私は、
またまた突拍子もない事を思いついたのです。

「腰の調子が心配だし、どじ丸も歩くの辛そうだから
 台車でも買って、それに乗せて川まで連れて行こうか??」
「あなたねぇ~~~また、馬鹿な事考えてる・・。」
「箱を作ってさ、大五郎みたいに乗せていけば楽でしょうが、、」
「どじが乗るわけないでしょ!!買うなら買えば!!」
「川に行けば降ろしてあげるんだから、大丈夫だよ。。。」

今から考えれば、浅はかな思いつきなのかもしれませんが、
その時の私は本気でそれを考えていたんです。

早速ホームセンターに行って、
妻に叱られないようにと安い台車を探し当てました。

「いいじゃん、、いいじゃん、、」
「何がいいのよ!!」
「これならどじ丸も乗ってくれるよ☆」
「乗らないよ・・!!」

妻の言う通りでした。

夕方、どじ丸を台車に乗せて30センチも進まない所で、
ゴロンと落としてしまいました。。。。勿論どじ丸をです。

もう乗ってくれるはずはありません。
抱っこをして台車に乗せようとしても、
動かせる左の両足で踏ん張ってしまいます。

「駄目かぁ~、、、、、」
「ほぉ~~~ら、、みなさい。乗らないでしょ!!」
「無駄だったね、、、」
「だから最初から言っているのに、、聞かないんだからぁ~。」

4000円を出して買ってきた台車は、
思っていたその役目を、たったの30センチで終えました。
その後1回だけゴミの運搬に使っただけで、

今でもビニール袋に包まれて眠っています。


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